香りの散歩道 |
墨絵・朝野泰昌 |
二十四節気の「大寒」も過ぎて、寒さが一段と厳しくなる時期ですね。 カラダの芯まで温めたいときは、日本に古くから伝わる薬湯(くすりゆ)はいかがでしょう。 季節の植物を入浴剤に使う、民間療法の一つです。 冬の薬湯といえば、12月の冬至の日に、無病息災を願って柚子湯に入る風習がおなじみですね。 その他にも、ミカンの皮や大根の葉っぱを乾燥させたものなど、天然の入浴剤はたくさんあります。 なかでも、新年の1月におすすめの薬湯は、松の葉を使う縁起の良い「松湯(まつゆ)」です。 冬の寒さにも耐えて、美しい緑をたたえる松は、古代から神が宿る特別な木とされてきました。 「百薬の長」と言われている日本酒のように、松は「百木(ひゃくぼく)の長」と言われ、めでたさの象徴であるだけなく、暮らしに役立ってきました。 松の実は食用に、松ヤニは香料や燃料になり、松の葉は入浴剤にも使われるのです。 永遠の緑をたたえる松にあやかって、「不老長寿」を願う縁起の良い松湯。 市販されている松葉茶(まつばちゃ)を使えば、家庭でも簡単に楽しめます。 10グラムから15グラム程度の松葉茶を、お茶パックに詰めて湯船に浮かべるだけ。 清々しい香りに包まれるひとときを、お宅でもいかがですか。 ただし、体質に合わない方はお控えくださいね。 |
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毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。 香りの散歩道TOPへ / TOPへ / 歳時記へ |